ここから数回に分けて、ディズニークルーズの出航地や寄港地での観光をレポートしていきます。まずこの記事では、出航地・帰港地であったバルセロナのガウディ建築をご紹介します!バルセロナは観光地の★宝庫★なので、ガウディ建築以外の観光地は別途記事にします!
アントニ・ガウディとは?
1852年から1926年に活躍したスペイン出身の建築家です。様々な文献を読んで分かったことをまとめます。『彼は元々優秀な建築家であった訳ではないが、全ての情熱を建築に捧げました。晩年は、サグラダ・ファミリア以外の仕事は全て断り、浮浪者同然の格好になってしまうこともいとわなかった程です。最期には路面電車に轢かれ亡くなってしまいました。』そのような彼の生き様から、時に【狂気の建築家】と呼ばれることもあります。
彼の代表作であるグエル公園、サグラダ・ファミリア、カサ・ミラなどは、ガウディ作品群として世界遺産に登録されています。植物や動物をモチーフとした有機的かつ芸術的な装飾が特徴で、一目見ればガウディ建築だと分かるほどのインパクトです!
Day 1 | 7.17 | 前泊 | バルセロナ,スペイン |
Day 2 | 7.18 | 乗船 | バルセロナ,スペイン |
Day 3 | 7.19 | 寄港地 | カンヌ,フランス |
Day 4 | 7.20 | 寄港地 | ローマ,イタリア |
Day 5 | 7.21 | 寄港地 | ピサ,イタリア |
Day 6 | 7.22 | At the Sea | |
Day 7 | 7.23 | 下船 | バルセロナ,スペイン |
ディズニークルーズについての記事は▶︎こちらからご覧いただけます。
グエル公園 (世界遺産)
ガウディにより設計されたバルセロナの公園です。エウゼビ・グエルという人物の発注により計画されたプロジェクトだったため、グエル公園と名付けられました。1900年から1914年にかけて建設されましたが、当初は60軒の住宅地を構想していたそうです。しかし実際には全ての住宅を建設することは叶わず、2軒の住宅のみの建設に留まり、のちに公園として親しまれるようになりました!
はじめての世界観に圧倒されました!!!小さいタイルを繋ぎ合わせてデザインされた美しいタイルアート。今から約120年前からここに佇む建築群。こんなにも美しい色合いや質感を残したまま、今もなお市民や観光客を魅了し続ける世界遺産です。写真の通り、この日は雲ひとつない青空で、タイルアートがより一層映えていました^^ 右上の写真に見える可愛い建物はお土産屋さんです。まるでお菓子の家のようで『ヘンゼルとグレーテル』の世界観を彷彿とさせるものがありますよね!
我々は、この日ダブリン空港→エル・プラット空港→ホテル→グエル公園→サグラダ・ファミリアと予定が立て込んでいたので、グエル公園の滞在時間は1時間程度でした。敷地がとても広いので全部まわりきれなかったことが悔やまれますΣ(-᷅_-᷄๑)皆さまが観光される際は、2時間程度の滞在時間を想定していると良いかもしれません!
この公園!!なんとバルセロナ市民は早朝と夜限定で入場無料になっています!以前は、観光客も無料で入場出来る時間帯があったり、無料エリアがあったようですが、残念ながら混雑を防ぐために中止となってしまったようです(泣)
サグラダ・ファミリア (世界遺産)
未完の世界遺産!!と言えば。パッと出てくる方がほとんどなのではないでしょうか?そうです!次に紹介するのはガウディによるサグラダ・ファミリアです!
実はこのサグラダ・ファミリア、着工から100年以上経過しても建設途中ということで未完の世界遺産と呼ばれているのですが…なんと!2026年に完成予定と発表されているのです!未完の世界遺産をこの目で拝めるのは『今しかない!!』ということで、何としてでも訪れたい場所でした。
曲がりなりにも建築家として、これまで様々な建築物を見てきました。特に世界遺産と言われるものは、やはりどれも素晴らしいものばかりで、サグラダ・ファミリアも他と等しくきっと“素晴らしい建築物”だろうと期待していました!
グエル公園からサグラダ・ファミリアまで徒歩で向かい、最後の角を曲がりしばらくすると圧倒的な存在感の建物が見えてきました。その瞬間、頭からつま先までグワァァァーーー!!!と鳥肌が立ちました。
『なんだあれは。”素晴らしい建築物”!?!?いいえ。』目の前に現れたのは、想像していたものとは全く異なるものでした。もちろん良い意味です。“これは建築物なのか!?”私の知っている建築という知識では何も分からないと思いました。構造体がどうだ、意匠的にどうだと。本当に何も分からなくて、言葉を失いました。ただ、ひとつ理解できたことは、彼が【狂気の建築家】と呼ばれる所以です。コンピュータも何もない時代に、この途方もない建築物を考え、行動した人間がいる。これを狂気と言わず何と言えば良いのでしょう。まさに、常軌を逸した心の持ち主のみが成し得る偉業です。
そんな強烈なファーストインプレッションを受けたあとは、日本語のオーディオガイドに沿って建物内外を見学していきました。※オーディオガイドは、携帯のアプリから聴取しますので、イヤホンを持参することをお勧めします!
『今この時代に生きていてよかった』そう思える宝物に出会えた気分でした。生まれた年が100年前でもなくて、100年後でもなくて、今で本当によかったです。建築を知らない人でも興味のない人でも、サグラダ・ファミリアの放つ異様なオーラには圧倒されるに違いありません。決して安い入場料ではありませんが、サグラダ・ファミリアの工事が順調に進んでいる大きな理由のひとつはこの入場料です。入場料が、完成の一助となるなんて、むしろ光栄なことのように思えます。
建築技術や芸術的側面、景観、周辺に与える影響など、サグラダ・ファミリアを題材にすると一冊の本になってしまうのではと思うほど、書きたい言葉が溢れて出てきます。私自身、サグラダ・ファミリアを本当の意味で知っていると言うまでには、まだまだ勉強をしなければなりません。【百聞は一見にしかず】といいますが、見ても分からないものは分からない。様々な文献の力をお借りして、“百聞”の部分を埋める努力も時には必要なのだと思いました。2026年にサグラダ・ファミリアが完成した暁には、十分な知識を持って、また訪れたいと思います。
【まだ、サグラダ・ファミリアを見たことがないという方へ】人によっては、ご自身の価値観を変えるほどの衝撃があるかも知れません。1882年に着工した当初の予定では、工期約300年。2200年頃の完成と言われていました。それが2014年、IT技術を駆使することにより、工期は半減し2026年に完成すると発表されたのです。約150年の工期短縮を実現させました。これにより、今を生きる我々が『未完から完成』のサグラダ・ファミリアを見届けられることになりました。サグラダ・ファミリアと同じ時代にあることはある種の運命かと思います。是非、一度訪れてみてはいかがですか?
カサ・ミラ (世界遺産)
1910年ー1912年にかけて、ガウディにより設計された実業家邸宅兼集合住宅です。直線を持たない自然界をモチーフとした外観が特徴です。この日は午前10時前で、通行人もまばらですが、多い日には100人以上がチケット購入の行列を作っていることもあるようです。今回は時間の都合上、建物内に入場することは叶いませんでしたが、外観を見学し、この場の空気感を知れたことが大きな収穫となりました。
交差点から見た存在感の大きさには驚きます!!石灰岩を用いた波打つような外壁は地中海の波をイメージしており、バルコニーの手すりは海中に漂う海藻のようにも見えます。海をモチーフにしていますが、私にはまるで砂漠にある大きな岩を削り取ったような佇まいに見えました。『建築』という言葉で語るにはどうすれば良いのだろう…と言葉に詰まるほど美しい造形です。
なんと!カサ・ミラには、現在も4世帯が居住しています。毎日の仕事後、世界遺産の自宅に帰るなんて(゚∀゚)どんな気持ちなのでしょうか。想像もつきません!また、住宅の他に事務所やギフトショップなどのテナントも入っており、入場チケットを持たない人でもお土産を購入出来ます。半地下とまでは行きませんが、階段を2、3段降り店舗の中に入るドキドキ感は、まるで人の作った秘密基地にお邪魔するかのような感覚でした!
ギフトショップの窓からは、吹き抜けの中庭が覗けます。通行人が見ることのできない中庭さえも、強いこだわりを持ち完璧を目指したガウディの想いが伝わります。ここから見える階段は、家主である実業家のための専用階段らしく、もっと近くで見たいのに…(o_o)ともどかしい気持ちでした…
カサ・ミラの本当の見どころは、屋上です!今回、見学することは叶いませんでしたが、必ずまた訪れて本ブログにてレポートしていきたいと思います!
カサ・バトリョ (世界遺産)
カサ・ミラとカサ・バトリョは、徒歩7分の距離にあります。建築家エミリオによって建てられた建物を1904年-1906年にガウディが設計・増改築し、集合住宅とした建物がカサ・バトリョです!ドラゴンや海をイメージしているとされ、特徴的な外観が目を惹きます。通りを歩く人々は、皆一様にカサ・バトリョを見上げています。118年の間に一体何人の人がここを訪れたのでしょう。バルセロナの歴史と共にあり続けるカサ・バトリョ。コーヒー片手にしばらく眺めていたいなぁと思わせるロマンチックさがあります。
…とここまで語って参りましたが、カサ・ミラ同様カサ・バトリョも時間の都合上、入場することは叶いませんでした。
右の写真は、カサ・バトリョのギフトショップから吹き抜け部分を見上げた写真です。ここにもガウディらしいタイルアートがあしらわれています。カラフルな色合いからエネルギーを感じますよね!カサ・バトリョもバルセロナ観光では外せない場所のひとつです。必ずまた訪れようとこの地に誓いました!
終わりに
ディズニー・クルーズの出港地だったということを忘れてしまうほどに、バルセロナは素晴らしい街でした。出港前の約1日半で、4つの世界遺産をまわることができましたが到底時間が足りるはずもなく( ;∀;)必ずリベンジしなければ。と思いました!
余談ですが、2019年にパリのノートルダム大聖堂の一部が焼失してしまったことを覚えていますか?約700年もの歴史を持つゴシック建築の至宝と言われているノートルダム大聖堂。焼失してしまったのは、パリを訪れる数ヶ月前の出来事でした。結局は、パリの大規模デモ等の情勢により渡航を断念することになりましたが、いつでも見れると思っていたものがこんなことになるなんて。尖塔が崩れ落ちていく映像はとてもショックでした。2024年に復元されると発表されていますが、焼失以前の姿をこの目で見ておきたかったというのが本音です。
この出来事から私は『行けるときに行く!見られるときに見る!』という気持ちを持ち始めました。人生何が起こるか分からない。それは歴史的建造物にも言えることなのだと改めて実感しました。日本政府の発表により、9月7日から当地出国前陰性証明の取得も不要(ワクチン3回接種済みの人に限る)になります。ここまで大変長い年月のように感じますよね。ぜひ、今日紹介しましたガウディ建築を楽しんでください^ ^皆さまのご旅行が有意義なものとなりますように。長くなってしまいましたが、本日はこの辺で失礼します。
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